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平成27年度 アルバータ州立大学語学研修報告

カナダ アルバータ州立大学にて語学研修を実施いたしました。


平成27年度 アルバータ州立大学語学研修概要

第2回目となるアルバータ州立大学での語学研修ですが、出発の7月8日までに満16歳となる生徒が大学の受け入れ対象のため、希望者29名のうちの、9名での実施となりました。昨年同様大学内外の充実したプログラムに参加生徒は将来の留学への意気込みが膨らみました。午前中4時間のESLは午後の活動とリンクしており学外で授業内容の検証をするというすばらしく組織化されたものでした。大学の講義は社会学と数学で、1コマ90分は高校生にはハードですが、良い刺激でした。宿舎のSt. John’s Instituteでは多くの留学生、舞踊芸術団体、政府職員、研究医師の人々との交流がありました。カナディアン・ロッキーへの研修では、数カ国の大学教員や留学生と同行でき、バスの中も色々な言語が耳に入るなど、偶然も重なり大成功でした。

1. 実施期間

平成27年7月8日(水)~ 7月23日(木)

2. 研修場所

カナダ エドモントン アルバータ州立大学

参加生徒たちの感想

「カナダの香り」 2年男子

勉強づけだった期末テスト期間を終え、2015年7月8日から7月23日までの約2週間、私は8人の仲間と共にカナダへ語学研修に行った。
そこで私はたくさんの経験をしてくることができた。それは語学に限ったことではなく、外国へ行くこと、2週間もの間親元を離れること、何もかもが初体験だった。実を言うと、海外へはかなり幼い頃に行ってはいるのだが、そんな昔のことを覚えているわけもなく、初体験と言っても過言ではない。また、食事は出てくるから良いとして、洗濯などは自分でやらなければならず、洗剤をどうするだとか、色落ちがどうだとか、恥ずかしい話全くわからなかった。「毎日ありがとう。ママ。」そんな風に思う程だった。まして、ここはカナダ。日本語なんて存在しないし、文化も通用しない。降りる時の飛行機はゴミだらけだし、人は土足で家に上がる、カップケーキやアイス、ジュースなんかは日本人から見たら明らかにヤバイ色をしている。最初の3日間ぐらいは変化が多すぎて長く感じられた。それでも人はその変化に順応するわけで、親切なモニターや宿の職員の方々、私の稚拙な英語にも耳を傾けてくださった先生や地元の人々のおかげもあり、残りの日々を楽しく過ごすことができた。ここカナダではペットボトルや段ボールといったゴミはリサイクルゴミとして出され、また生まれ変わらせるのだそう。カナダ人はなんてエコロジストなんだ。良い人も多いわけだ。広いのは人の心だけでなく国土も同様。カナダは世界で2番目に広い面積を持つ国だそうで、おまけに人口は日本よりも少ない。その甲斐あってか、多くの美しい自然を有することもカナダの特徴。私は研修期間中に2泊3日でカナディアンロッキーに行ってきた。頂上を白く雪で覆われた壮大な山々、よく晴れた青い空を反射してエメラルドグリーンに輝く湖、ファンタジー映画に出てきそうなどこまでも続く緑色の針葉樹林。日本では見ることはできないだろう。味なんてしないが空気まで美味しく感じる。私は生活するなら絶対都会派なのだが、ここは本気で考えさせられた。また、この研修の本来の目的である英語を学ぶということに関しては、正直、2週間ぽっちでは厳しかった。しかし、この研修中の英語の授業では英語でプレゼンテーションをやるという機会が多くあったため、ただでさえ苦手意識のあることを英語を使ってやるということはとても良い経験になったと思う。また、将来もっと長い期間海外に語学を学びに行くことも良いかもしれないと考えるきっかけにもなった。
私はこのような体験は滅多にできるものではないと考えている。なので、この貴重な経験を自分の将来に生かして、後でとても有意義なものであったと思えるようにしたいと思う。

「日本とカナダの違い」 2年女子

私はカナダに二週間の語学研修に行ってきました。一緒に行ったメンバーとは、ほとんどの人が空港で初対面の状態で不安でいっぱいでしたが、カナダではグループ行動が多くみんなで協力し仲良くなることができました。
 語学研修も後輩になると、お互いの部屋に行き遊んだり課題をやったりするくらい仲良くなり、毎日が充実しすごく楽しかったです。
 研修中に観光地にも行きました。カナディアンロッキーのバンフ、レイク・ルイーズという有名な湖にも行ってカヌーを体験してきました。
このようなカナダという素敵な場所に行けたことは自分にとってとても良い貴重な経験でしたし、連れて行ってくださった先生方や現地の方にはとても感謝しています。
カナダでの主な勉強はアルバータ州立大学で行いました。
そして私は二週間カナダに滞在している中で日本とカナダの教育方針の違いについて考えさせられました。 カナダでの授業は毎日グループごとに異なるお題を出され、そのお題について現地の人に尋ね、聞いたことを英語でまとめプレゼンテーションをしていました。それは先生が英語を話せるようになりたい私たちへの実践を積むための計らいだったのかもしれませんが、実際にプレゼンテーションを毎日のようにやっていく中で授業に対する積極性は遥かに上がりました。
 一方、日本の授業では賑やかになってくると注意を受け、発表する場もなかなかありません。日本人には無意識的にも「他人と違う意見を持つことは恥ずかしいこと」「間違っていたらどうしよう」という感覚があると思います。幼い頃からプレゼンテーションのような自分の意見を示すような場が多く設けられてこなかった故に、このような感覚を持ってしまったのではないでしょうか。カナダの教育とは根本的なところから違うと感じました。そのため、私は日本の授業にはもっと発言や発表の機会を増やすべきだと思いました。
カナダと日本では言語も文化も国の方針も違い、カルチャーショックを受けることは多々ありましたが、楽しいこともたくさんあり一生の思い出になりました。次は長期でまた行きたいと思います。

「カナダ語学研修に行って」 2年女子

15日間の研修でたくさんのことを学びました。まずリサイクルへの心遣いです。私たちが滞在したエドモントンはすごく綺麗でした。街のいたるところにはゴミ箱がありました。ゴミ箱は細かく表記されていました。次に、私たちが泊まったセントジョンソンインスチチュードには階段に車椅子用の機械が付いていました。
そしてある日の夕食のとき、見たことがないたくさんの方がいらっしゃってました。お話を聞くと、月一回高齢者の方や地域の方々がお食事を食べに来れるイベントみたいなものでした。それに驚きました。高齢者の方や地域の方々とのつながりを大切にしていることがとても素敵だなと思いました。最後に、私たちは毎日大学で授業を受けました。先生によく言われたことは、日本人はすごくシャイだから、シャイにならないでどんどん声をだしてということです。しかし、考えがあってもなかなか口に出せませんでした。授業で大学内を歩いてインタビューすることが多々ありました。英語に自信がないから、最初はなかなか声をかけることができませんでした。いざ声をかけると、スペルがわからないものは書いてくださったりなど、すごく親切に教えていただけました。他にも授業では毎日プレゼンテーションを行いました。課題が出されそれについて調べてまとめての毎日。日本語でプレゼンテーションをするのも大変なのに英語でのプレゼンテーションはすごく辛かったです。でもこれをしたことで自分にとって大きな力になったと思います。この2つのことから相手に物事を伝えることの難しさと自分の意思に自信をもつことを学びました。今までの私は自信が持てず、諦めてしまうことが多かった気がします。今回の体験は私の一生の宝物です。今回学んだことを生かして様々なことに挑戦していきたいです。

「カナダのエコライフ」 1年女子

 私はこの夏、「カナダ語学研修」に参加した。今まで、海外のエコなんて考えたこともなかったし、全く想像もつかなかったが、今回、実際にカナダを訪れてみて、カナダの自然やエコに対する意識を少しだけ理解することができた。
 私たちは、語学研修中に、カナディアンロッキーのあるバンフを訪れることになっていて、それを知った母から、あるお土産を頼まれていた。そのお土産というのは、ロッキーマウンテンソープである。これは、バンフでしか買うことのできない石鹸で、結構有名なお土産らしく、この石鹸が置いてあるお店もたくさんみられた。このロッキーマウンテンソープとは、ロッキーの氷河水を利用した100%ナチュラルの手作り石鹸である。種類も本当にたくさんあって、どれを買おうかと、とても迷ってしまった。ナチュラルソープということだったので、日本に帰国してから、この石鹸の成分を調べてみると、水・ココナッツオイル・オリーブオイル・カノーラオイル・コットンシードオイル・シアバター・ハチミツやヤギのミルクなど、多くの石鹸に含まれている合成界面活性剤のような体に悪いものは含まれていないことがわかった。合成界面活性剤を使わないということは、水を汚さないということにつながるのである。また、カナディアンロッキーは、空気がとても乾燥していて、敏感肌の人たちにとっては深刻な土地であるため、保湿のためのシアバターなどが含まれるこの石鹸は肌のケアにもとても役立つのだそう。
 この石鹸からだけでも、カナダの自然やエコに対する意識は理解することができたが、他にも、見つけることができた。たとえば、宿泊所の近くのスーパーに買い物に行ったとき、お店の中や外にはエコバックの使用を呼びかけるようなポスターが貼ってあったり、ごみを捨てるときはしっかりと分別をするようにしていたりと、日本と同じようなものもいくつか見つけることができた。
 今まで、海外のエコやその取り組みについては全く知らなかったが、今回の語学研修で、カナダの自然やエコに対する意識を知ることができ、また、その中には日本と同じようなものもあるということを知ることが出来た。今回の語学研修は二週間ほどしかなかったが、カナダの自然は本当にすばらしかったので、もっともっとエコのために取り組んでいることがあるのではないかなと思いました。日本のエコ意識も高いほうだと思いますが、カナダから学べることもたくさんあると思います。

「カナダという一つの異国の地を肌で感じて」 3年女子

カナダは国連の調査で9年連続して世界で最も暮らしやすい国のトップ3に選ばれている。実際にカナダの地を訪れた際、日本のように高湿でなく夏でもあまり気温が上がらず 涼しく快適に過ごしやすい場所だと肌で感じた。また、ほとんどの家にクーラーが設置されていないのも驚きだった。カナダの気候上 夏はあまり気温が高くならない為 冬に使う暖房の設置だけでよいのだ。
季節による温度変化が激しい日本。冷房も暖房も使用する自国と違い 電力料金が冬場しかかからない為 とても省エネで環境にも優しい気候なのだなと思った。
次にカナダは全国一律の医療保険制度の実施の結果 高い平均寿命、教育機関の充実を維持している。カナダの大都市、バンクーバー、トロント、モントリオール、私達が滞在したアルバータ州、ロッキー山脈の美しいエドモントンはいずれも生活や仕事の面でワールドクラスの都市だが、清潔で安全な街並みと共に、文化水準の高さや魅力的ライフスタイルに定評があります。
また、カナダは世界で最も生活水準の高い国であり、美しい自然環境を目の当たりにすることも出来ます。生活水準から見ると、国民の70%が持ち家に住んでおり車、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電話、ラジオ等の消費財の所有率が高くなっている。
カナダの一般家庭では、日本の住居と比べてもかなり広く庭付きの一戸建てが大半です。
日本は国土が狭く、なお自然災害の発生が多く国としても災害の予防工事を優先して実施していますが 自然の力は大きいと痛感しています。自然環境の面から見ても厳しい環境に置かれています。広大な国土を有するカナダ、その面積は日本の26倍と言われています。
食生活においても、食料自給率は高い水準を保っており、世界でも有数の農業立国となっている。
しかし食文化については、現在世界でも日本の食文化ブームにあり、健康食の面から今後とも大いに推進していければいいのではないかと思う。
カナダは世界でも治安と秩序が守られている国です。大人の健康被害についても生活環境面から整備されており、喫煙についてはとても厳しい国です。実際、コンビニやスーパーではタバコの取り扱いを殆どしていませんでした。
現在日本でも喫煙に対してはかなり厳しく対応されていますがカナダと比較するとまだまだあまいなと痛感しました。カナダ国内のレストランでは喫煙ですし、公共の施設の建物内では吸ってはいけないことになっており。レストラン、ショッピングセンター等は禁煙エリアです。飲酒に対しても厳しく、自動販売機でお酒を買うことはできません。
カナダでは屋外での飲酒行為は法律で禁じられており、健康、生活環境、自然環境の面から厳しく規制されています。日本の道路には当たり前のようにあるタバコの吸殻、お酒の瓶、缶 などは一切街中に落ちていませんでした。こういった面もカナダの美しい自然環境を保ち続ける人々の取り組みなのだなと肌で感じ、そして 生活環境、防犯、治安面からも日本でも参考にできるところは真似ていければいいのではと思いました。
そして何よりも滞在期間中の体験で深く印象に残っていることはカナダ人の人の良さとマナーの良さです。文化的にもレディーファースト、お年寄りを大切にし、譲り合い助け合いの文化です。そして バリアフリーがとても進んでいます。電車では席をお年寄りに譲る、満員電車やエレベーターなどでは押し合わないなどは日本でも基本的なルールです。しかし滞在中バスなどの公共の乗り物を使用した際、バスなどの優先席の割合がとても多く、車椅子を置けるような場所も設置されていました。又、 お年寄りが入ってくると男女問わずすぐに席を立ち、席を譲る。とてもスムーズに当たり前に行われていて、普段電車などを使用した時スムーズに席を譲ることのできない自分が恥ずかしくなりました。他にも 宿泊施設の出来事で 私が出入口を開ける鍵が中々鞄から見つけ出すことができなかった際、少し離れた場所にいて電話をしていた。すると、男性がわざわざ入り口の私のところまで来てくれてドアを開けてくれました。そして私が中に入るまでドアを押さえていてくれるなど 日本ではまず考えられないことだと驚き、又、カナダの人はとても親切で優しい方達ばかりだと感じました。元々自分を含め日本人はイエス ノーをはっきりと言わない国民性ですが、 改めて積極性が足りないのだなと再確認しました。
そしてもう一つ印象深く残っていることは、カナダの家庭の軒先や建物に掲げられたメープルの葉が中心に描かれている真っ赤なカナダの国旗です。カナダの一般家庭では、祝日でなくても自国の旗を軒先に掲げるそうです。実際、授業で一般の住宅街を歩いていた時にその光景を目にし、日本人の私にとってそのことはかなりのカルチャーショックでした。元々戦後の現代の自分を含めた日本人自体、自国に健全な愛国心、郷土愛がないことはわかっていましたが、一度も家で日の丸を掲げたりしたことがありませんし、地域でも旅行先でも日本の旗を掲げている一般家庭を見たことがなければ聞いたこともありません。
もし見る機会があるとすれば、それは役所や国の建築物くらいです。カナダの人は凄く愛国心が強くそのことが表に現れているなと再確認しました。
今回の経験を通じて 私も世界の経済、社会、自然環境、などに以前よりも関心を深めました。同時に 日本語が全くと言っていいほど話すことができない先生が 「 あなたは 本当に 日本人ですか ?」という言葉をとても流暢な日本語で話された時、日本人は日本という国に住んでいながら自国をなにも知らないのだな、日本人というアイデンティティを持っていないのだと改めて痛感し本当に自分は日本人なのだろうか?という疑問が浮かび同時に恥ずかしくなりました。
「21世紀のグローバル化が私達に突きつけている問題は国際標準語(英語)を話す国際人になることではない。日本人という確固たるアイデンティティを持って世界を舞台に活動できる人材になることだ」 これはネットを見ていて見つけた言葉です。自分を含め日本人にはとても難しい問題ですが、まずは世界を見る前に 日本人として最低限日本国のことを知り、歴史を知り 異文化を知り、世界標準語を身につけ、きちんと日本の社会生活を再確認していければと思いました。
2020年には東京でオリンピックが開催されます。 世界中から人が集まり様々な言葉が飛び交い、様々な異国の文化が交流し混じり合う地になることでしょう。日本では通じることが異国の地では通じません。あくまで日本人としての自覚を持ち、自国のことを知り愛し、そして地球上に住む1人の人間として少しでも多くの異国文化を知り、1人の日本人として国際社会に貢献していきたい。
私は看護師になる夢を持っています。 海外でのボランティアも視野に入れながらその夢の実現を測るが、まずはしっかりと自国の医療の現状を学び、今回の語学研修同様、実際に肌で感じながら実務経験を重ねそして海外にも目を向けていけるよう努力をしていきたい。

「カナダを経験して」 1年男子

 たくさん悩み、家族と相談して決めたカナダへの語学研修では、とても充実した2週間を過ごすことができました。
 海外研修は今回のカナダが初めてだったので、未知の経験がたくさんありました。一つ目は環境のことです。ローラースケートや自転車で移動する人が沢山いました。エコを意識しているのかどうかはわかりませんが、とても環境に良いことだと思います。また、移動手段の他に、ゴミ箱の量にも驚きました。滞在していた宿泊施設には3つのゴミ箱が並んでいて、更に大学のゴミ箱は、なんと5つも並んでいました。当然なことですが、5つとも分別するための説明が全て英語で書かれていたのでゴミ箱の前で苦戦したことを今でも覚えています。町中にも至る所にゴミ箱が置いてあり、ポイ捨てなどは全く見かけません。私はこの点に日本よりカナダの方がゴミに関しての意識が高いと思いました。
 次に弱者に対する姿勢であります。こちらでは、障がい者のための設備が充実していて自動ドアや電車に乗る時に押すボタン、ホテルでの食堂へ移動するための機械など配慮が素晴らしかったです。
 カナダでの体験は日本では見られない景色や自然も魅力でしたが、それと同じくらいにゴミや障がい者への配慮ができるカナダの方々との出会いが自分のなかでは貴重なものになりました。
 しかし、そのような人たちとのコミュニケーション手段は英語です。相手の話すことgは聞き取れない、自分の思いが伝えられないなど折角の出会いなのに悔しい思いもしてしまいました。
 私は実際に海外へ行き、英語力が非常に不十分なことを実感できました。両親がくれたこの機会を最大限に生かせるように学校の英語の授業を中心に努力しています。そして、近い将来の東京オリンオピックで誰かの役に立てるようになることがまず1つの目標です。

「カナダで学んだこと」 1年男子

 私は今年の夏、高校主催のカナダ語学研修に参加した。申し込んだ当初は観光気分でいたが、出発日が近づくにつれて不安と緊張が高まっていった。しかし、いざカナダに到着すると日本とは全く異なった気候や風景が広がっており、これから始まる新たな2週間に胸が高鳴った。
 語学研修の主な内容は、アルバータ州立大学での授業である。その授業で、先生から、いきなり課題が出されてしまった。「カナダの伝統的なスポーツは何か、とインタビューしてください。」といった内容だった。カナダに来てまだ2日目。まともに英語が話せない中、勇気を出して、歩いている女性に話しかけた。緊張して舌を噛みながら発した私の英語は、かなりひどかっただろう。しかし、その女性は片言の英語を真剣に聞き取り、応えだけでなく綴り字まで丁寧に教えてくれた。私は、達成感や喜びが込み上げてくる前に、大変驚いてしまった。なぜなら、いやな顔一つせずに、当たり前のように応え、私の英語を褒めてくれたからからである。
 もし、日本で同じ様な事があったとしたら、このようにはいかないだろう。たとえば、町を一人で歩いているとしよう。そんな時に、いきなり外国人が片言の日本語で話かけてきたら、私たち日本人はどのように振る舞うだろう。少なくとも、僕が話しかけた女性のような反応はしないだろう。たとえ、質問には答えたとしても、きっと心のどこかで片言の日本語を嘲笑してしまうか、悪くすると、何らかの口実を作り、質問に答えずにその場から逃げ出してしまうのではなにかと思う。もちろん、自分がその状況に陥っても、女性のようにおおらかに振る舞えるかと言われたら、難しい所もある。
 その女性だけではない。他にも多くの人にインタビューをしたが、ほとんどの人が優しく受け答えをしてくれた。ではなぜ、日本人とカナダ人との間にこのような差が生じるのか。それは、日本人特有の「集団の怖さ」という雰囲気があるからだと思う。
 いきなり「集団の怖さ」と言われてもピンと来る人は少ないだろう。日本人はなにかと周りに行動を合わせるからだ。逆に、周りと異なった行動をとると、目立ってしまい、周りから非難をあびることになる。そして、それがいじめ等につながるのだ。日本人は、意識しなくても自然とこのような行動をとってしまう。みんなが右に行くなら右に行こう。周りに合わせないと不安になってしまうのが、日本人である。そのため、日本人が外国人に話しかけられたら「目立ってしまう。」というような心理が働いて、逃げ出したくなるのだ。
 カナダ人に限らず、多くの外国人にはこのような心理は働かないだろう。僕は、日本人としてこのような事実を痛感した。5年後には東京オリンピックが控えている。私自身を含め、多くの日本人は今の状態では世界に通用しないだろう。今こそ、日本人の「集団の怖さ」という心理を壊して、積極的に国際交流をしていきたい。そして将来、私がこのエッセイを読んだ時に、「有言実行」ならぬ「有筆実行」が達成できるように努力していきたい。

引率教員より

 第2回目のカナダ・アルバータ州立大学語学研修では、speakingとlisteningに焦点を当てた大学の姿勢は昨年同様堅持され、ESLのベテラン講師の技術の高さは授業を参観する毎日のあちこちで感じられた。教室内にじっとしていることなく、キャンパス内で小グループになって行き交う人にインタビューしてメモを取り、課題のテーマに対するレポートをまとめるなどの毎日となった。このため、生徒が極めて活動的で適度な緊張感を持って授業に臨んでいた。毎時間プレゼンテーション的な英語による発表が強いられ数日間はつらい様子もあったが、すぐに適応していく姿に若者のたくましさを感じた。実際、2回の週末も、休むことなく夕食後はレポート作成が続いた。
さて、宿泊先での様子であるが、ほとんどの参加者が2週間もの間保護者のもとを離れて暮らすことがなかったので、助け合う事も多く見られた。たとえば、毎朝、昼食用のサンドイッチを作る時には、手際の良い者が、食材のバランスやラップの扱いなどを教え、近くのスーパーへは、ミネラルウォーターのまとめ買いをして男子が運ぶなど、経済観念や心の優しさを自然に学んでいた。
大学でも、宿泊先でも、日本人が見られないため、一歩自分の部屋を出れば、英語を使わざるを得ない環境だった。宿泊先では、毎日ダイニング・ホールでの食事となるため、様々な国の留学生や舞踊団にアーティスト、そして大学や政府の駐在員など様々な滞在者
と自然に英語会話を始める生活経験が出来た。大学の教室は看護学部棟で、妊婦や看護師の教室が開かれていたり、他学部でも様々なサマースクールが開催されているため幅広い年齢層の人々の活動が観察され、インタービューに苦労することもなかった。
 最後に、充実度が極めて高いこの研修が今後も続いていくことを切に希望しています。