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平成26年度 アルバータ州立大学語学研修報告

カナダ アルバータ州立大学にて語学研修を実施いたしました。


平成26年度 アルバータ州立大学語学研修概要

この語学研修は、本校独自の将来大学留学を目指す体験留学を構築する意図により発案から2年の歳月を要して、第1回目が、7月9日から同24日までの日程で行われました。全て、アルバータ州立大学との直接交渉によるものであり、第1回目である今回をしっかりと検証し、創立者の国際理解教育の理念を、時代に対応したより良く具体化し実践していけるものとして、進化していくべきものであると考えております。

1. 実施期間

平成26年 7月9日(水) ~ 7月24日(木)

2. 研修場所

カナダ エドモントン アルバータ州立大学

3. 参加人数

参加生徒
20名 (3年生2名、2年生7名、1年生11名)
引率教員
2名 (鈴木勝昌 手嶋貴恵)

今回の語学研修について

 通常はESLが英語授業の全てとなり、訪問地の歴史的、文化的理解のためにオフキャンパスとして、当該の公園や施設を訪れることで終了するようです。しかし、本校の研修は、将来の留学を念頭に置いているため、人文と自然の両分野から大学の講義に準ずる1コマ2.5時間の大学の先生による授業が4コマ加えられており、午前中4時間のESLと合わせて、1日6.5時間の英語のシャワーを浴びるので訓練としては十分であります。ESLでは、「聞く・話す」を強調する姿勢が鮮明であり充実していました。また、オフキャンパス4回に加えて2泊3日のカナディアン・ロッキーの研修がこの国の地理的違いばかりか、人々の発想の根源になりそうな自然環境を体感し自国との比較を無意識に行わせています。さらに、現役の日本人のアルバータ州立大学留学生たちを教室に招き、留学形態や、きっかけ、現在から将来への見通しなど留学全般に渡る説明とQ&Aを小グループで回る交流会をもプログラムしました。出国1か月前で突然、ホームステイがドミトリー滞在に変わり残念でしたが、異なる体験や、学校としてはカナダにおける未成年の安全保護の姿勢をよく理解できる結果となりました。カナダに於けるホームステイを実施するには、ホストファミリー候補における、警察による犯罪歴調査や弁護士を介した受け入れ候補家庭と依頼する生徒の家庭双方の承諾書/覚書を交わさなければならず、その手続きには相当の時間が必要です。現地エイジェントがここまでを引き受けて斡旋してくれる仕組みです。そのエイジェントが突然営業方針の変更ということで断りの連絡が入ったのが6月初旬でありました。時間的に準備不可能と判断した大学は急きょドミトリーでの手配を急ぎ、百数十万円の赤字を覚悟で我々を迎え入れることとなりました。生徒たちは全員ホームヴィジットの形でカナダ人家庭の体験をしました。来年以降については、こうした滞在方法と費用が交渉の焦点になることは言うまでもありません。プログラムは歴史を持った教育機関であるためよく練られており、引率の参観に制限なく、ESLの教師から説明を受けたり、見に来てもらいたいことを直接告げてもらうなど、大学側の自信がうかがえます。したがって、本校生徒に更に合うものへと発展させるに値するものと言えます。

ESL

【写真】 現地の講師から指導を受ける様子

通常はESLが英語授業の全てとなり、訪問地の歴史的、文化的理解のためにオフキャンパスとして、当該の公園や施設を訪れることで終了するようです。しかし、本校の研修は、将来の留学を念頭に置いているため、人文と自然の両分野から大学の講義に準ずる1コマ2.5時間の大学の先生による授業が4コマ加えられており、午前中4時間のESLと合わせて、1日6.5時間の英語のシャワーを浴びるので訓練としては十分であります。ESLでは、「聞く・話す」を強調する姿勢が鮮明であり充実していました。また、オフキャンパス4回に加えて2泊3日のカナディアン・ロッキーの研修がこの国の地理的違いばかりか、人々の発想の根源になりそうな自然環境を体感し自国との比較を無意識に行わせています。さらに、現役の日本人のアルバータ州立大学留学生たちを教室に招き、留学形態や、きっかけ、現在から将来への見通しなど留学全般に渡る説明とQ&Aを小グループで回る交流会をもプログラムしました。出国1か月前で突然、ホームステイがドミトリー滞在に変わり残念でしたが、異なる体験や、学校としてはカナダにおける未成年の安全保護の姿勢をよく理解できる結果となりました。カナダに於けるホームステイを実施するには、ホストファミリー候補における、警察による犯罪歴調査や弁護士を介した受け入れ候補家庭と依頼する生徒の家庭双方の承諾書/覚書を交わさなければならず、その手続きには相当の時間が必要です。現地エイジェントがここまでを引き受けて斡旋してくれる仕組みです。そのエイジェントが突然営業方針の変更ということで断りの連絡が入ったのが6月初旬でありました。時間的に準備不可能と判断した大学は急きょドミトリーでの手配を急ぎ、百数十万円の赤字を覚悟で我々を迎え入れることとなりました。生徒たちは全員ホームヴィジットの形でカナダ人家庭の体験をしました。来年以降については、こうした滞在方法と費用が交渉の焦点になることは言うまでもありません。プログラムは歴史を持った教育機関であるためよく練られており、引率の参観に制限なく、ESLの教師から説明を受けたり、見に来てもらいたいことを直接告げてもらうなど、大学側の自信がうかがえます。したがって、本校生徒に更に合うものへと発展させるに値するものと言えます。

レクチャー

【写真】 英語で授業を受ける様子

この研修の大きな目玉の一つが大学に留学したら英語での講義はどうなるのかを体験してもらうことで、英語力増強に拍車がかかることを期待する目的がこのレクチャーであります。今回は、人類学と数学の2科目で実施しました。人類学がMs. Catherine Kamita( アルバータ州立大学人類学教員) , 数学がMr. Rohit Kapoor(数学教員、アルバータ州立高等学校数学科カリキュラム開発担当)が担当しました。
まず、人類学ではそれがどんな学問なのか、アルバータ州立大学ではどんな研究がなされているのか、そして先生自身の研究の紹介という流れで、生徒もそのさわりの部分で課題が課されて発表をする参加型で行われました。どんなに噛み砕いていただいても、本校生徒の現在の学力、高校生常識では理解できない面は当然あります。次々に登場する専門用語を説明しながら進めますが、好奇心旺盛な生徒と、この分野にあまり興味を持たない生徒では受け取り方に差があることも当然です。しかし、休憩をはさみながらも、2時間半の講義を経験しました。大学での授業にはこういうレベルの話(非認知言語)が聞けて理解できる教養に裏打ちされた英語力/コミュニケーション能力が必要であることを改めて生徒は認識したと思われます。

【写真】 英語で数学の授業を受ける様子

さて、数学ですが、大学の教養レベルで教えられているところまでの授業でしたが、英語以外の教科目を英語で教授されるのは生徒には初めてのことだったはずです。加減乗除、累乗指数、分数、少数、座標平面等、数学が得意不得意にかかわらず、これらの用語は慣れ親しんだものですが、全て英語でということに新鮮さがあったと思います。最少公倍数ではその用語に翻弄されるも、白板上で具体的な数字で説明されると「あれか!」ということになります。人類学の用語理解よりはるかに簡単であり、生徒が質問等、コミュニケーションを取りやすい授業材料であることも感じられました。もちろん、そこには、この先生の教師力ともいうべき力が働いていることは明白です。解説の中で、日本とカナダとの数学教育の違いを話したり、生徒が問題解答中に日常生活や文化についての質問事項を板書して気持ちを変えさせるコミュニケーションを入れたりします。やはり、生徒を動かすという基本原則が働いているのでしょうか。数学2.5時間は、1年生は無論、文系の2,3年生にはきつかったかもしれません。

オフキャンパス

Scavenger Hunt, Fort Edmonton, Alberta Legislatureの3回とも、summer monitorのカナダ人スタッフ2名(UBCの学生)が帯同し、説明、連絡等全て英語でしかできません。彼女らのコミュニケーショーン速度は1分間に200語という感じです。英語のアナウンサーが150語ぐらいとすれば、ネイティブスピーカーの会話は認知言語の領域ではそうなると思います。で、我々引率はそういう毎日の連絡調整のやり取りが続きました。彼女らは我々が日本では何の教科の教員かは尋ねることもなく、引率だから普通に英語の通じる人間という意識でありました。実際、帰国すると何を教えるのかと聞かれたのは、最終日でした。彼女らは、生徒に年齢が近いため、生徒たちは分からないなりに何とかコミュニケーションしようとしていました。

1. Scavenger Hunt

教室外ですが、キャンパスの中での活動となりました。ただし、キャンパスは北キャンパスで市電の駅が2つ、南キャンパスに1つと、敷地内に電車が止まり、バスも集中発着するそれ自体で一つの街を形成している環境です。ですから、ダウンタウン等に出なくても、この活動は100%成立します。時間制限の中求められた項目を満たす証拠写真を撮りながらゴールすることは最初の活動として評価できます。

2. Fort Edmonton

大学に来てちょうど1週間がたち、完全なオフキャンパスの活動として、Edmontonの歴史学習のテーマパークに教場を移し、ツアーガイドや施設の職員の英語で学習しました。公園内なので、たとえはぐれても心配はないので学習環境は満点です。施設内のほとんどのものに触れることができ、場内を走る当時の機関車の引っ張る列車に乗って1世紀半前にタイムスリップし、現代に戻ってくる4つのステージを歩きます。開拓時代の建物の中に入ると当時の服装をしたスタッフが説明し、Q&Aも自由です。ビーバーの毛皮取引の店では、毛皮の価値をどう決めた、どう取引したかなどがわかり、実際に山積みにされているビーバーの毛皮や、クマ、コヨーテなどの毛皮に手を触れることができます。Fortの名前はついていますが、砦に立つ高い囲いは敵の侵入を防ぐものではなく、ビジネスの場所として他と区別する意味であったようです。

3. Alberta Legislature

州議事堂の内部はカラクリがある屋敷のような要素があり、1世紀以上前の建物ですが、堅牢な建築物です。ここでも、ツアーガイドが説明をしてくれ、重要なポイントをカバーしてくれました。アルバータ州の名前の由来、肖像画や王の杖の秘密など、生徒が分かっているかどうかという部分には、引率から平易な英語で確認しなければならない場面がありました。議事堂の外は、噴水のある広い公園ですが、この水の中はプールとして入ってかまわぬところで、子供だけでなく大人も楽しむ姿がありました。警察官の監視が常時あり、安全に気を使っている姿勢は変わりません。

4.Canadian Rockies Trip

バンフまでの400キロを休憩なしの4.5時間で走破するという学校の旅行としては、ハードな始まりでした。バスはトイレが付いているので、あまり気に留める生徒もいませんでした。ロッキー山脈の脇から始まり数千キロ続く大平原を簡単に行き来している車の走行は日本では考えにくいものでしょう。キャンピングカー、トレーラーなど、大きな車が数多く走っています。距離感が違うのは明らかです。バンフに入ると程なく山道に入り、Sunshine Meadow を目指します。入口付近でさっそくwhite tailと呼ばれている雌の鹿が、道路を渡り森に入るとこちらを見て去っていきました。リスの仲間も多く人を恐れる様子はあまり感じませんが、自分が安全だと思う一定の距離を保っていました。ロッジまでは、ボンネットバスに乗り換え、他のハイカーたちと乗合で、わいわいがやがやと10分程度でしょうか。ロッジで昼食(ハンバーガーを自分で好きな食材を選んで作ります)後、Rock Island Lakeを目指して、登りのトレイルを歩きます。昔は氷河湖だったようですが、現在は地下水が水源となっているようです。山の上の湖で高山植物が咲く夏のシーズンならではの姿に生徒たちは息をのんでいました。旅の本で紹介されるあの風景がいきなり飛び込んできたため感激は大きかったようです。この後、バンフの街に入りバンフアヴェニューを散策させ、ピザの夕食を堪能して、ホテルに入りました。
翌日は、レイクルイーズに向かい、雨、風、晴れ、曇りの忙しい天気に翻弄されました。山岳気候ゆえに、レインギアの準備を日本で申し伝えましたが、ちょっと準備不足の生徒がややいました。シャトー・レイクルイーズの前に広がる見たことのない湖の色と景観に声の出ない者や、歓声を上げる者の両方がありました。昨日の湖とはスケールもちがい、シャッター音が止まりませんでした。しばらくフリータイムとしてから、カヌーに挑戦です。ライフジャケットを装着し係員が一人ずつ調整紐をチェックしていきます。さすがに、厳しいレギュレーションですが、誰もが納得していました。3名1隻で出発し、往路が30分、復路が流路の関係で25分という設定でした。慣れないオールの使い方ですが、なんとか進んでくれ、あの湖の上にいるという実感がみんなに感じられました。父子で一人乗りのカヌーを漕いでいた父親から親子の写真を撮ってほしいと頼まれ、カヌーを互いに寄せてカメラを受け取り撮影して確認してもらうと、お父さんから笑みがこぼれました。皆1時間で岸にもどりました。

この後、シャトーレイクルイーズにて、バイキングを堪能しました。ここの料理には生徒たちも満足していました。午後はJohnston Canyonに寄ってからBow Fallsの予定でしたが、monitorから雨が降ってトレイルがぬかるんでいると思われるのでJohnston Canyonは寄らずにBow Fallsへ直行しようという提案で了解しました。Bow Fallsに目を奪われていると自分の背後を見なかった生徒はバンフ・スプリングホテルを見損なった可能性があります。本日はウィークエンドということもあって、ほんの少しの道のりですが、バンフの街中まで車が詰まっていました。でも、日本の首都高速の渋滞を知っている人なら「どこが渋滞ですか?信号待ちが続いただけでしょ。」ということになると思います。夕食はEl Toreというバンフアヴェニューのステーキレストランでアルバータ牛を食べてもらいました。焼き具合を指定して思い思いのステーキにしました。

今晩は、バンクーバー在住40数年の旧友がホテルを訪ねてくるというのでちょっとしたお話会を考えていましたが、生徒たちを集合させる場所がなく、断念しました。その代わり、バンクーバーの現状を代表していろいろ伺いました。まず、私が留学した1980~1981のころ家の立っていなかった湖周辺にも立ち並び、当時家の所有者だった白人は他界して、その子供たちは自分の家を持っているため、売却しているそうです。バンクーバーに空き家となる物件にOPEN HOUSEの看板が立つと、キャッシュオファーが行われ、セリ落とされるそうで、この友人が家を購入した数十年前に、日本円で3,000万円程度の家が、結果として7,000~8,000万円になっているということです。また、急激な中国系移民の流入により、交通ルールがよく理解されてない状態であるため、事故が急増しているそうです。スカイトレインが建設され利便性が増したカナダ太平洋岸第1の商工業都市ですが、英語の研修をするにはバンクーバー島や、その他のかなり郊外に行かねば、毎日耳にするのは、中国語になってしまうそうです。一方、エドモントンは、アルバータ州の州都であり行政都市です。このため、カナダの千代田区のようなイメージです。特に夏期はイベントが多く開催されのんびりとした環境です。

 さて、最終日の朝、近くのレイク・ミネワンカを訪問し、落ち着いたスケールの大きな景色と朝の静かな湖面に特に何をするというわけでもないのに、生徒はみなバスには帰ろうとしない不思議な時間になりました。この湖はかつて小さな湖が分離して存在していたところを人工的に一つの湖にした、人造湖であり、ロッキーで唯一パワーボートの運行が許されている湖でもあります。バンフのダウンタウンに戻って昼食までフリータイムとなりみやげもの店を回りました。店によっては、スーパーより安価なものがあり、バンフは高いという評判ですが、探してみると意外とリーゾナブルな価格の物が売られています。昼食は、Squishとうサンドイッチ屋さんで作りたてをいただきました。あまりに大きくて、半分を残してエドモントンに持ち帰る者がたくさんいました。翌日のためということですが、学寮に着いて、晩のミーティングにて、生もので時間が経ちすぎていることや、季節的に温度も高いので、冷蔵庫に入れてあってもその危険性は排除できないと判断して、全員廃棄するようにしました。帰りのバスも同じく4.5時間ノンストップでエドモントンに直行です。

終了式とランチ

最終日の授業終了後はFarewell Lunchが修了式とセットで計画されていました。Faculty Clubという食事や会議、式ができる建物で実施されました。この研修にて優秀だった2名(2年女子、2年男子)が表彰され、大学のパーカーをプレゼントされました。ランチはバイキングですが、これまたかなり充実した食事でした。

ホテル滞在

Delta Edmonton Suite HotelのチェックインではJTBの係りの方が学生グループのチェックインと夕食の案内に我々を出迎えてくれました。ホテルは大学のダウンタウンキャンパスと地下道でつながっており夕食会場のJapanese Villageにもほんの数分のところで立地条件がよく、帰りの大学のピックアップバスも目の前に着くため良い選択でした。夕食は冷奴で始まる日本食のコースで、鉄板焼きをお願いしておきました。料理人の包丁さばきのパフォーマンスもあって生徒は大喜びでした。たった2週間でしたが、海外研修が初めての生徒が多く、久しぶりの味噌汁とごはん、漬物においしいが連発されていました。

ドミトリーとホーム・ビジット

大学寮はかなり巨大な建物でこの中だけで生活はできます。夏期休業中ということで、売店や、食堂に制限があるため、食事はThe Johnston’s Instituteというレストランに15分歩いてとりました。家庭料理をベースにバランスのとれた食事を提供する、主に大学関係者の利用するレストランです。留学生や、政府の役人、研究者の人々と会話ができ、生徒の中には写真を撮りあう積極的な場面もありました。あまり、我々のグループで固まらないほうが良いコミュニケーションの場でもありました。ここで、昼食用のサンドイッチを朝食後に自分で作って持っていくというユニークなスタイルです。2週間一度も同一メニューはありませんでした。シェフが定期的に変わり、普通のレストランとは違い、自分たちの予定で食事をとらない日や時間がずれる場合等を前もって連絡すればそれに対応してくれるなど、融通が利き、野菜サラダと果物が豊富にあるため、引率側としても大変評価できます。今後、ホームステイでない場合はこちらの食事を是非薦めたいです。ただ、ここもセキュリティーが強固で、登録等をしていない部外者は入れません。今回は2名の引率ですので、エントランス・キーが2本渡され、ひとりが開店時に生徒を連れて入場させ、朝起きられない生徒のケアにもう一人が寮に残って全員の確認をするという分業をせざるを得ない状況ではありました。このような些細な仕事はあっても、保護者は安心できる食生活だったと思います。 

ホームステイの代わりにカナダ人の家庭を知ってもらうため、2~3人ずつ放課後から夕食までホーム・ビジットを実施しました。ホームステイ以前では、この方法が一般的だったわけですが、中にはまた会いましょうということで、monitorに連絡が入り生徒に伝えてもらい再会した生徒たちもいました。当然ながら、メールアドレスを交換して連絡を継続するケースはごく普通でした。また、ホーム・ビジットとは逆に、学寮には毎日同じところに宿泊してくれる今秋Oxford大学の大学院に留学するこのプログラムのスタッフがいてくれて、毎晩ゲームや世間話をする機会を作ってもらい生徒によい刺激でありました。

生徒の健康状態など

病気・けが等で問題になることは皆無でした。朝寝坊で、朝食抜き、授業遅刻のいずれかになった者が7/14:2年生男子1名、7/15: 2年生男子1名、7/16: 1年生男子1名、7/17: 1年生男子1名、7/21: 1年生男子1名(7/17の同一生徒)、7/22:1年生女子1名 という内訳です。 ドミトリー滞在でセキュリティーが強力ではありますが、最後は個人の心がけになるので鍵の管理を一人一人してもらいましたが、朝起きられない状態が確認しずらいという問題点があげられました。

総括

今回準備段階からハプニングが発生し、対応に苦慮する実施となりましたが、プログラム上の問題は皆無です。更なるものを求めて要望していこうと思います。滞在方法について、大学がエイジェントの仕事をカバーしてコストの低いホームステイに向けて動いていただくよう交渉していきます。現実的な課題として、(1)2週間の費用の差は、600ドル以上あり、(2)ドミトリー使用には、未成年者の場合は8名に1人の割合で引率が必要ですので、今回20名の参加生徒には3名の引率が必要、などがあげられます。英語学習の環境と治安がよいため、滞在方法さえ解決すればかなり良好な研修として完成していくと思われます。

【写真】 引率した鈴木教諭

 さて、直接交渉と、日本人がいないことの意味として、コストが大幅に抑えられる一方で、旅行代理店などの支店もそばに無く、添乗員の仕事から毎日の大学との連絡等すべて引率が英語でやらねばならず、教員の努力が不可欠な研修になりました。ESLの授業について担当の先生から説明や参観の依頼があり、ここで英語の授業についての専門知識とコミュニケーション能力が求められ、かつ大学のレクチャー10時間について自分が理解していないと、生徒に説明できないことや、質問に答えられないといったことになってしまいます。これらの点は昨年までのハワイ大学の研修と大きく乖離したものと言えます。この研修は評価をして次に繋げるという相互の反省によって成り立つものであり、大学に任せきりでは、直接交渉してきた意味がなくなってしまいます。大学もまた、こちらの評価を期待しているため、英語の授業についてのプロフェッショナルの立場で対応する必要があります。将来的には、大学からは、「やる気のある生徒が研修に来る数少ない日本の高等学校」との認識が得られることを念じて止みません。それは、我々研修を推進していく教職員と学校の姿勢が同時に評価されるかどうかの問題でもあることは誰の目にも明らかです。国際交流部として、次年度以降も、プログラムの前進と完成に向けて大学と密な連絡を取り合い、参加生徒募集の後、再び現地に赴き全力を注ぐ所存であります。

参加生徒たちの感想

2年女子 Kさん 「Canada と Japan の違い」

私は、カナダで2週間すごして、カナダと日本の違いをいくつか見つけました。
まず1つ目は、エコについてです。カナダでは、スーパーなどでマイバッグ持参が普通のようでした。私自身もスーパーで買い物をした時に「バッグにつめる?」とレジで尋ねられました。私の地元のスーパーでも同じように尋ねられますが、大抵の客は有料のビニール袋をつかいます。反対にカナダのスーパーでは、周りの客はほとんどがマイバッグを持参していました。日本でももっとマイバッグを流行らせてもらいたいです。自分も使うようにしたいです。 それに関連して、カナダではマイボトルを持っている人も多かったです。
町でマイボトルを片手に歩いている人をよく見かけました。これも、とってもエコにつながっていると思いました。ペットボトルを買って捨てるよりも、ボトルを何回も利用することでゴミを減らすことができます。私のクラスでは、毎日多くのペットボトルや缶のゴミが出ています。みんながマイボトルを使えば、かなり資源を節約できるはずです。マイバッグ、マイボトルを常備することが日本の常識になってほしいと思いました。
また、広い大学の敷地内では、車で移動している人も多くいましたが、日本よりも自転車やスケボー、ローラースケートで移動している人が日本よりも多かったです。これは、趣味や運動不足解消なのかもしれませんが、エコにもなっていると思いました。車で排気ガスを出しながら移動するより、運動にもなり地球にもやさしい自転車などで移動した方が断然よいと感じました。日本人も通勤・通学手段を見直すべきではないかと思います。
2つ目は、弱い者に対する配慮の点です。私がバスに乗った時、ベビーカーを持っている家族がいました。カナダのバスではベビーカーや車イスが置けるスペースがありました。
座席が折り畳み式になっていて、しまってあるときは結構広いスペースがありました。
日本のバスにもそういう機能があるかもしれないけれど、私は見たことがなかったので、
カナダのバスでその光景を見て感動しました。また、電車でも日本よりカナダの方が広々としたスペースがあり、自転車を持ち込んでいる人もいました。日本ではそんな人はいないので驚きました。そのように広いスペースがあるというのは、障がいのある人や赤ちゃんがいる人も住みやすいよう配慮されているのではないかと感じました。
アルバータ大学では、扉に車イスのマークのボタンがついていて、それを押すと自動でドアが開く仕組みになっていました。その仕組みは、とっても良いと思いました。日本ではあまり見たことがなかったので、日本でもこういうドアを増やしたらどうかと感じました。
しかし、カナダの駅などではスロープやエレベーターをあまり見かけなかったような気がします。日本の駅での方がたくさん見かけます。カナダに滞在中、何度か電車を利用し駅を歩くことがありましたが、スーツケースを持って階段をのぼることが余儀なくされ、少し大変でした。私はスーツケースを持っているだけなのでまだ平気でしたが、車イスを使用している人や赤ちゃんが一緒でベビーカーを持っている人はもっと大変だろうと身にしみました。その点では、日本の方がよく考えられていると思います。
さらに、大学内の横断歩道は赤にかわるのがはやく、私たちが普通に歩いていても間に合わないことが多々ありました。障害のある人は、道路を渡るのも大変なのに急がなければならず、大変だろうと感じました。私の地元の方が青信号の時間が長くその点も日本の方が良い配慮されている気がしました。
普段気付かなかった日本の良い点悪い点、エコの意識の大切さ、障害のある人へどのような配慮がされているかなど多くのことに気付くことができました。カナダと日本両方の良いところを自分自身の生活に生かしていきたいです。また、他の人にも伝えたいです。

2年男子 A君 「日本との違い」

私はこの研修に参加して、とても良かったと改めて感じました。何故なら、語学について学べ、異文化を肌で感じることができたからです。
まず驚いたのは、交通機関です。日本の電車は、ほとんどが乗車距離で運賃が決まります。しかし、エドモントンでは一定の値段の切符を買い、九十分乗り放題というシステムでした。このシステムだと、気軽に遠出ができて良いと思いました。また、バリアフリーが徹底されている事に驚きました。バスや電車に乗る時に、車いすユーザーがボタンを押すと、車両からスロープが出てきます。全駅に券売機があり、エスカレーターやエレベーターがあります。私が普段利用する駅は小さな駅なので、券売機やエスカレーターも無く、とても不便です。最寄りの駅が小さな駅でも、お年寄りや障害者の方は、電車を利用します。ですから、このようなところを日本も真似した方が良いと思いました。街のいたるところがバリアフリーで、カナダは進んでいると感じました。大学の施設内でも、車いすユーザーの為の自動扉がいたるところにありました。更に目についたのは、環境に対する取り組みです。大学内にあったゴミ箱は、種類を細かく分類して捨てるようになっていました。再利用のため、様々な取り組みがされています。街の中でも、所々にゴミ箱があり、捨てたい時にはいつでも、ゴミ箱を見つけられるようになっていました。この点は、日本も見習うべきだと思います。
 もう一つ素晴らしい点は、横断歩道に歩行者がいる時に、全ての車が止まってくれる事です。ゴミのマナーと交通のマナーは、共通している部分もあると思います。日本人も、見習うべきです。
 語学の学習では、大学の授業で英語のプレゼンテーションをしました。初めは、日本語でもうまくいかないのに、英語でできるわけがないと不安だらけでした。しかし、頭の中で文章にならない時には、単語とジェスチャーでカバーし、先生の助けを借りて、なんとかやり遂げる事ができました。私は英語があまり得意で無く、スキルアップの為にこの研修に参加しました。正直不安でしたが、大学の先生が授業を工夫してくださり、とても楽しく学ぶことができました。日本では受けることのできないアルバータ州立大学の講義。高校生には受講するチャンスが無い人類学や、英語を使った数学の講義を受けることができました。本当に貴重な経験になりました。
 今回このような研修に参加でき、本当に感謝しています。私にとって、普段体験することのできない貴重な体験となりました。

1年女子 Nさん 「カナダ語学研修」

今回は初めての海外経験で不安や緊張でいっぱいでした。
そんな私が今回の語学研修に参加してみようと思ったのは母からの勧めです。高校生になる前から母に短期留学に行ってみたらどうかという話しをされていました。まだほんのちょっとしか英語ができない私が行った所で何も理解できないで終わるだろうと思っていましたが、興味はとてもありました。なぜなら英語は苦手ではないし、外国人の方と交流してみたいし、日本語が使えない世界でどう表現して伝えるのか体験してみたかったからです。
 結局は何事も経験だと思って参加を決めました。
行く前の準備は全部英語で書かれた書類に英語で答えたり、日本円をカナダドルに両替しに行ったりと、早くも初めての事だらけで戸惑ってしまいました。そんな自分に焦りを感じました。また、定期テストの勉強と同時に語学研修の準備をしなくてはならないので勉強の方でも焦りを感じ、とても大変な思いをしました。しかし、行ってみてから1番大変でした。
 日本時間の7月9日にカナダへ出発し、10日の午前1時に着きました。しかし、カナダとの時差は15時間あるのでカナダの時刻では9日の午前10時に着いた事になるようです。つまり、時差により9日を2回過ごす事になったのです。それはとても興奮しました。
そして、時差ボケをしてる暇もなく次の日からぎっしり勉強です。大学でのオールイングリッシュの授業は聞き慣れてない英語をひたすら聞いて質問に答えて、と休む間もなく大変でした。しかし、高校の授業とは違って実践的な授業だったので楽しくやる事ができました。大学の授業を主にやって休日には街に遊びにでかけました。中でもBBQが1番楽しかったです。
 私達と現地の方の大人数でやったので色々な方と話す事ができたり、一緒にスポーツをする事ができたり、関わりが多かったのでとても充実した日になったと感じます。他にも街を歩いてみたり、日本とは比べものにならない程の規模のプールに行ったり、サッカーを観戦しに行ったり、カナダの方の家にお邪魔させてもらったり、とカナダならではの休日を過ごす事ができて良い思い出になりました。
 私達のために案内係をしてくださった現地の方や、今回の語学研修の計画を1から考えてくださった先生、2週間共に慣れない環境で助け合って過ごした先輩や友達、みんなに感謝しなくてはいけないなと強く感じました。また、今回の語学研修で得たものの1つは、何事もやってみようと言う気持ちを忘れずに、自分から動くと言う事です。これからの生活ではそれを生かして積極的に行動したいと思います。

1年男子 T君 「カナダ研修を終えて」

カナダに行っていちばん強く感じたことは、「エドモントンは、町中がきれいだ。」ということです。町中のいたるところに、ごみ箱が設置されていました。色は黒色で、大きさはだいたい僕の腰ぐらいだったと思います。最初に見つけたのは朝食を食べるときに食堂へ向かっていたときです。サッカーを観戦したスタジアムや町中でもたくさんのゴミ箱を見つけました。日本では、ごみ箱を最近見かけないので違いに驚きました。分別の必要がなく気軽にごみを捨てることができ、外でごみが出たときに便利だと思いました。街や人の考え方が、エドモントンをきれいにしているのだと思いました。
エドモントンの鉄道に乗ったのは、カナダに到着した週の日曜日と国会議事堂に行った日、そして帰国前日でした。それは地下鉄で四両編成でした。駅は無人駅で改札口もありません。
日本の鉄道では、車いすや体の不自由な人が電車に乗ると駅員が手助けを行いますが、カナダではそういうことが見られませんでした。駅には、階段だけでなくエレベーターが備えられています。また、電車とホームの隙間があまりなく段差もほとんどないので、ハンディを持っている人でも駅員の助けなしに電車を利用できるのかもしれません。
誰もが使いやすい環境が整えられているのだと思いました。
僕たちがアルバータ州立大学でお世話になった先生は、みんな明るくて面白い先生方でした。あまり英語がうまく話せない僕でしたが、先生はそのことを理解してくれました。わからないと言うと、ジェスチャーを交えながらわかるまで説明をしてくださり、何か一つできるようになるとほめてくださいました。また、授業中にインターネットゲームや動画を使って、授業をわかりやすく楽しくしてくださいました。
今回、僕は初めて海外に行き他の国との違いを実感しました。さまざまな違いを発見するのは貴重な体験でした。留学というのは、単に言葉や勉強を学ぶだけでなく、人とふれあい生活や文化について知ることも大切だということがわかりました。
しかし、たとえ海外について興味を持ったとしても今の英語力だけでは通用しないことがわかりました。二週間の研修でしたが帰ってから英会話のCDを聴いてみると、前よりも聞き取れるようになっていました。これを励みにこれからも頑張りたいと思います。もっと英語を勉強したいと思ったカナダ研修でした。

1年男子 F君 「カナダ語学研修」

私は、カナダに行っていろんなことを学びました。初日は大学内の案内で驚きました、大学の敷地が大きく一つの町みたいになっていました。大学付近でオリエンテーションをしたときに日本人の留学生がいて驚きました。次の日からは、本格的に授業が始まり最初のほうはまだ英語がなれてなくよく聞き取れなかったが、先生に言えばわかるまで教えてくれた。休みの日になり現地の人たちとバーべキューをしてその人たちと野球をしたり教わったりして楽しかったです。別の日フットボールの試合を見に行ったときも、アナウンスで千葉敬愛って言っていただいたり、スタジアムにごみが落ちてなくて驚きました。カナダの語学研修も中盤に差し掛かったときぐらいにかなり大きいショッピングモールにいきました。その中には遊園地があったりプールがあったりと大きかったしきれいだった。やっと前半戦の授業が終わったらカナディアンロッキーに行き山に登ったり湖を見たりカヌーをしたりしました。山では夏だというのに雪が残っていたり自然を保護するため立ち入り禁止のところがあり、湖では水がきれいだったりカヌーをしてたときは水が冷たかったです。
カナダのいいところは、日本に負けずきれいな場所で現地の人たちがとても親切なところです。後半には人類学と数学の授業が始まりました。人類学は最初なんだかよくわかりませんでしたが、やってみて大変ためになりました。いろいろなことを教わりました。
私たちが行ったエドモントンというところの歴史を見るという公園も行き1900年代からの家や郵便局などを見たりしました。私はこの二週間はとても貴重な時間になりました。学ぶ上では時間が足りませんでしたがカナダのことをよく知ることができました。私はこれからもこの貴重な経験を忘れずこれからの高校生活や社会に役に立てる用にがんばりたいと思います。

3年女子 Nさん 「カナダ語学研修」

カナダ語学研修は私にとって大きな経験となり、たくさんのことを学ぶことができました。二週間過ごしていて特に気づいたことはバリアフリーについてです。まず初めに、バスの中の優先席には犬のマークがあり盲導犬などと一緒にバスに乗ることが可能になっていました。カナダでは盲導犬なども障害者の方の一部として考えられているのだなと感じました。しかし実際に乗っている場面に出会うことはありませんでした。ですが、日本にはまだないことなので良いことだなと感じました。そして優先席の幅が広くベビーカーも収まることができベビーカーであっても乗り降りの移動は楽なようでした。また優先席が必要な人が乗ってきたら自然と譲ったり移動を手伝う人が多かったように感じます。町中では町中の段差がゆるかったことで日本みたいに大きな段差は少なく車いすでも町中を移動しやすそうでした。また道も広くすれ違うことも大変ではありませんでした。段差としてはホテルもほとんど感じませんでした。ショッピングモールでは階段の隣にスロープがあるところが多く見かけました。またショッピングモールだけでなくスーパーマーケットでも十分な広さの障害者用の駐車場が建物の一番近いところにありました。そして周りの人の気持ちとして日本のように車椅子乗っている人が障害者だとかそういう区別をしてないように見えました。車椅子に乗ってようが体に障害があってもみんな同じに生活しているようでした。
そんな中の欠点とすれば空港の多機能トイレのドアは押すタイプのもので車椅子の方が入ることに困っているのを見かけました。その点では日本に多いスライドドアの方がいいのではないかと思いました。
私は日本のバリアフリーはとても発達していると思っていました。しかしカナダでバリアフリーの取り組みを見てみてまだまだ良くできるのではないかと感じました。特に盲導犬や介助犬などが入店できる場所を増やしたりバスに乗ることも可能にするべきだと思います。もっと体の不自由な方も気持ち良く、不便を感じることなく生活できるようになってほしいです。

2年女子 Yさん 「私たちがすべきこと」

まるでサウンドオブミュージックの舞台に入り込んだよう…こんなことを、ロッキー山脈を登っている時に感じた。広く青い空、地面には色鮮やかな花が咲き、リスが走りまわっている。こんな大自然が世界にはあるのかと興奮した。なので、今回のエッセイでは、カナダがどのようにして多くの自然を保護しているのか、カナダ人が取り組んでいることについて書こうと思う。
まず、今回の語学研修でカナダに行くにあたって利用した航空会社エアカナダ。エアカナダは機体の重量を約130kg軽減させ、CO2排出量を184.000tも減少させている。また、燃料にはBiofuel(50%のflight oil+50%のcooking oil)を使用し、排出される大気汚染の濃度を低下させている。これらの工夫は日本に帰国してから知ったことなのだが、私たちの語学研修の移動と環境への工夫が関係していたのかと思うとカナダの環境への取り組みの幅広さに改めて驚いた。
また、語学研修ではアルバータ州に滞在し、アルバータの街で約2週間を過ごした。アルバータの街を歩いていて、あれ?この箱なんだろう?と疑問に思う物があり、中を覗いてみると、中にはゴミが!!そう。ゴミ箱だったのだ。日本には、駅やコンビニくらいにしかゴミ箱はないのだか、アルバータは歩けばどこへ行ってもゴミ箱、ゴミ箱、ゴミ箱というように街のどこにでもゴミ箱がある、という感じだった。このことからカナダではポイ捨てなどが日本より多くあるため、日本より多くゴミ箱が設置されているのだと思う。この点に関しては、当たり前のことなのだが、日本人のゴミをゴミ箱に捨てるという意識は大切だと思った。語学研修でESSの授業を受けた大学では、4色のゴミ箱が設置されていた。
ゴミを種類によって分別するためだ。日本との共通点を見つけ嬉しく思った。
カナダでは、食べ物を残すことは当たり前なのだそうで、多くのカナダ人は食べ物を捨てていた。私は、どうして食べる前に食べ物の量を減らしておかないのか不思議で仕方なかった。食べ物を残すということは、食べ物が無駄になるし、ゴミも増えて環境には悪い。食べ物を残すというのも、文化の一つなのかなと思うと複雑な気持ちになった。
カナダの大自然が守られているのには少なくとも日本と同じような取り組みがされていることがわかった。今でも地球温暖化は進んでしまっているけれど、世界全体でできることをコツコツやっていくしかないのだと思った。また、今行われていることで満足するのではなく、これからを担う私たちが新しい道を開いて行く必要があると感じた。

2年男子 T君 「カナダエッセイ」

私の高校二年生の夏は、蝉の鳴き声でなく、入道雲でもなく、カナダ行きの飛行機から始まった。
カナダとは誰もがよく知るであろうアメリカ大陸の上部に位置する国である。寒帯に属し、乾燥していて涼しい。日本の蒸し暑い夏に比べてしまえば、本当に、天国のような場所だった。
これがただの観光なら良かったとは思うが。
言ってもしかたがないが、これは望まぬカナダ滞在だったのだ。
元はといえばこれは学校が支援する語学研修で、英語力向上のカリキュラムだった。応募した生徒は約二十人。みんなやる気に満ちた瞳をしていた。私は死んだ魚のような目をしていた。 
愚痴を言っては仕方がない。感想を書こう。
まず、カナダにおいて自然は外せない。飛行機から降りた瞬間から、土の匂いが鼻孔をくすぐり、遠くには金の麦穂が風にそよいでいた。過ごしてみると、虫はあまりいない。太陽は異常に早起きで、それでいてアホみたいに活発だ。月はお株を奪われて、おかげで夜は短いらしい。
何が言いたいかといえば、カナダは最高の自然環境だということだ。
さらに広い面積に多くの自然が残されているせいで、歩くたびにマイナスイオンを吸い、緑が目の保養になるというのだ。素晴らしい。しかしその森がたまに大火事になったりするのだが。滞在中も実際に火事があっておかげで街中が煙幕に包まれたりしたが。ともかく自然については星三つ、ということだ。
次に暮らしだ。
住居は日本と大差ないかと思う。半分だけ埋まった地下室があったりするくらいだろう。本当はホームステイしてもっと詳しく知れたんだろうがね。代わりに寮で寝たがそこは驚きの過ごしやすさだった。洗濯機とシャワーの不便さ以外は永住を決めてもいいくらいだった。また、暮らしで言えば、交通機関もまた悪くなかった。少し不慣れな部分もないわけではなかったが。が、慣れれば快適。住めば都。
あとは食。
正直、不味い。いかに日本の食事が良いかわかる。野菜なんかは新鮮さが微塵も感じられないし、デザートは甘すぎだ。決してわがままではない、と思う。だが、やはりファーストフードは恐ろしくおいしい。実際、訪問した家では料理なんかほとんどせず買ったものばかりだった。体重には気をつけるべきだ。
ついで、カナダ人の人柄。
おおよそ予想通りの、おおらかさと紳士さだった。男性は優しいし、女性は明るい。それに日本人がかわいそうなくらい体格に恵まれている。視線は自ずとそちらに向かう。そういえばボランティアなどにも力を入れているらしい。街にゴミを見かけることもなく、障害者用にスロープも見かけた。ゴミの分別に種類は多いし、治安は良くて安全だ。カナダに行くと自分の小ささを実感する。もちろん、身長的にも。
記憶にあるのはこれぐらいだろうか。この文章全体からして何かすごく嫌々だったとわかっていただけるだろう。だが、楽しかった。
私は勉強というものが大嫌いなのだが、別に悪くはなかった。これで語学力もついたのならば一石を投じてくれた父に感謝したいくらいだ。しかも得られた鳥は二鳥ではすまないだろう。英語の能力やコミュニケーション力、友人もできた。他にもきっとあるだろう。つまり私は胸を張って言える。行ってよかった、と。

3年男子 S君 「カナダでの二週間」

私はカナダに二週間、短期留学した。そこでカナダの環境について観察してきた。日本とはどう違い、どう同じなのか。二週間毎日、カナダの人やカナダの土地などを見てきて、色々なことを感じた。
 外を歩いていると、道の所々に固定されたゴミ箱があった。交差点には必ず一個、建物の入り口にも一個置かれていた。カナダには、どこに入ってもゴミ箱があるということ。しかし日本では、外には全然置かれていない。それに、交差点に置かれていることは全く見たことがない。外で置かれているのは、公園や店の前、駅ぐらいだろう。そのためか、日本は本当にポイ捨てが多い。特に祭りやスポーツ観戦などのイベントのときの放置されたゴミの量。そして、道のどこにでもゴミが落ちていること。これはゴミ箱の少なさも原因だろう。
 それに対してカナダは、たくさんのゴミ箱があるので、日本に比べ落ちているゴミが少なかった、いや、ほとんどなかった。これが日本とカナダの違いである。
 日本はカナダを見習うべきである。日本も道の所々に、会場や建物の所々にゴミ箱を設置するべきだ。そうすれば、少しはポイ捨てなどが減るだろう。
 しかし、日本はポイ捨ては多いが、ゴミ箱に入れるときには、ちゃんと分別している。分別する種類がたくさんあるが、日本人は分別はきちんとできている。カナダはポイ捨てはないが、分別できていなかった。所々にあるゴミ箱には様々な種類のゴミが入っていた。日本に比べ、分別する種類は少ないのに分別しない。だから、ただゴミをゴミ箱に入れているだけだ。カナダはどこも綺麗だが、分別できていなければ、綺麗ではなくなるかもしれない。
 分別の面においては、日本人のリサイクルの意識の高さ、日本の良さを実感した。そしてカナダは日本を見習うべきである。
 互いに問題点はあるが、そこを改善していけば、よりよい国になるだろう。

1年男子 K君 「カナダで学んだこと」

僕は、今回の語学研修プログラムが初めての海外だったので、もちろん英語もですが、いろいろなことを学ぶことができました。
 まずは、カナダと日本との違いです。日本に帰ってきて一番始めに思ったことは、日本の湿気の多さです。飛行機から降りたときはとてもビックリしました。気候についていえば、カナダは北半球の高い位置にあるので、日の出や日の入りの時間が日本と大きく違い、生活リズムを乱れないようにするのがとても難しかったです。また、食文化については、カナダの料理は、多くの野菜を使っていたという印象があります。夜ご飯のときには必ずサラダバーがあり、これにも驚きました。最も違いが大きいと思ったのは、沈黙の嫌い方です。日本人は食事の席で沈黙が起こることも多いと思いますが、オリビアやララ、ホームステイ先の人達と食事をしたときは、会話が途切れず、ずっとなにか話していたと感じています。
 海外に行くとそれぞれの国の良さもわかり、まず、日本食はとてもおいしいと実感しました。カナダにいるときに、味噌汁が飲みたくなって仕方がなかったことを覚えています。また、カナダでは細かいおつりは切りすてられてしまうので、そういう面でも日本はいいと思いました(笑)。逆にカナダは広大な面積があるので全体的にビルが無く、開放的な感じがしました。また、いろいろな人種が住んでいるので、僕たち日本人が移住しても、あまり好奇の目にさらされずに住めるのではないかなとも思いました。
 今回の語学研修では、ここまでに書いてあることをこえる数の多くのことを学ぶことができました。英語という観点からみるとまだまだ力不足で理解できなかったことも多かったのが事実です。しかし、なんとなくでも理解できたところは今後の学習にいかして、また来年や再来年などの機会にもできたら参加をして、その時は今回よりも良い成果が得られるように頑張りたいです。

1年女子 Eさん 「カナダと日本の違い」

 私がカナダへ行って日本と比べ、弱者に対して配慮しているなぁと思った点は、電車の車いすのためのスロープがあった点です。また、開閉のボタンがついており、降車の時に何かつかえるような事があれば、そのボタンで扉を開けることができるので、安全だなぁと思いました。
 日本の電車は、車内に車いすが入れるようになっているスペースはあるけれど、そう言えば乗降車の際の配慮はされていないなと思いました。そして、カナダの電車のホームから踏切への道にもスロープがあり、最後まで配慮されているなぁと思いました。
 あと、これは弱者への配慮とは違いますが、バスに乗った時に、両替ができないという点がとても不便だなぁと思いました。日本だと、両替機があるため、お金を無駄にする事は無いし、便利だと思いました。
 日本にいると当たり前に思えるけれど、カナダへ行ってみて、自動販売機が正常に動かず、お金を無駄にしてしまった事が何回かあったので、そういう面では、日本は細かい所まで設備が行き届いているといえるなと思いました。
 また、カナダと日本との異なることで、日本の良さを実感したのは、電車の改札がカナダには無いという点です。たまにチェックが入ることもあるようですが、あれだけ自由に
電車の乗降車ができてしまうという事には驚きました。そして、そういう点でもきっちりとしている日本は自動販売機と同じ様に、設備が行き届いているんだなぁと思いました。
 私がカナダへ行って、日本には無いカナダでの弱者への配慮をしている点や、カナダには無い日本の細かい所を見つけることができました。両方の国がお互いに足りない部分をうめ合えることができれば、どちらももっと良い国になるんじゃないかと思いました。

1年女子 Mさん 「カナダ体験記」

今回の研修で感じたことは、カナダには道に落ちているゴミが少ないということです。たくさんの観光場所に行きましたが、どこもゴミが少なく、その場所の美しさを存分に楽しむことができました。さまざまな人が来る場所をきれいに保つことは簡単なことではないと思いますが、日本もこんなふうにゴミが無くなって、きれいな景色を存分にみんなが楽しめればいいと思いました。また、湖に行って、入っては行けない場所に入ってしまった時、注意されたことは、とても印象に残っています。あの後、たくさんのことを考えさせられました。まず、あの小さな看板一つで、植物を守っていけることが素晴らしいことだと思いました。カナダの人々は、自然を本当に大切にしていることを、すごく感じました。もし、日本人だったら、他の人がいるからいいや、というように、入ってはいけないと知っていても、入ってしまうと思いました。この経験や研修全体を通して一番思ったことは、カナダの人々は自然を本当に大切にしているなということです。そこを見習うべきだとすごく思いました。
 もう一つ印象に残っていることは、バスに乗った時に運転手の人に、小さい子を座らせて、と言われたことです。日本で運転手に言われることはないので驚きましたが、みんなで小さい子供やお年寄りを守ろうとする行動をしていて、本当に素晴らしいと思いました。でも、そこは日本でもできていると思いました。
 どこへ行っても、このように誰かをみんなで守ったりしているのは、平和な証拠だと思います。留学は、英語を勉強することを目的としていくものですが、他の国のこういう部分を探したり、見つけることで、どんどんもっと意味のあるものになると思いました。カナダは自然がいっぱいで、空気がきれいで、すごく過ごしやすかったです。その環境は、カナダの人だからこそ保っていけるものなのだなと思いました。

2年男子 S君 「語学以外も吸収できた研修」

 私はカナダでの二週間で語学以外に多くの事を知り、体感できました。
 カナダの家は日本のように二階建ての家もあったが地下がある家も多く、地下がある家は外から見ると一階建てに見える造りをしていました。また、生活の中で使う電気や水道の節電、節水は日本の方が意識しているように感じました。特に電気は、まだ明るい時間にもかかわらず家の中ではつけていました。そして、ゴミの処理についてはカナダは日本よりゴミ箱の数が多いように思えましたが、分別はなく、リサイクルをするという考えはあまり感じとれませんでした。しかし、ゴミ箱の数が多いせいか、日本のように人混みには多量のゴミが落ちていますが、道にゴミが落ちていることはほとんどなく、すごくきれいな環境ではありました。
 日本とカナダのエコに対する意識は総体的に考えると日本の方が意識は高いと私は考えます。環境においてはカナダの方が断然良いと思いました。
 次にカナダでの移動手段は日本と同じバス、電車でしたが、電車のドアが手動であったことに驚きました。そして、各駅に駅員がいないことも。日本では考えられない事です。また、障害者用の施設はあまり見られませんでした。カナダの駅で電車に乗る時、一人の車イスのおじいさんが勢いをつけて電車に乗る姿を見て、あれで転倒したらどうするんだろうと考えました。他にも階段にバリアフリーはなく、障害者を考えて設計している日本は良い国だと改めて思いました。そして、カナダで一番記憶に残っているのはエレベーターです。ものすごい速さで動き心臓の悪い人は倒れてしまうのではと思いました。
 障害者を考えた町造りは日本がよく考えられているようでした。
 私は今回の語学研修で日本がとても温厚な国だと改めて感じました。日本が障害者や高齢者に対してさまざまな制度を作り、より良く生活してもらおうという考えは前から知っていましたが、海外と比べてみると日本の考えは世界に劣らないものでした。

2年男子 H君 「私が語学研修で感じたこと」

私は7月9日から7月24日までの16日間の語学研修に参加した。なぜ私がこのプログラムに参加したのかというと、以前からカナダという国に興味があり、高校生のうちに海外に行ける千載一遇のチャンスだと思ったからです。
 9時間の長いフライトを経てカナダに到着して真っ先に感じたことは、自分は本当に外国へ来たんだ、という事だった。とても広い大地と不思議と高く見えた空は圧巻だった。
 そして大学に到着し中を案内されている時に気付いたことがあった。それはゴミの分別が日本のそれよりも細かくされていた事だ。日本だとまとめて燃えるゴミとして処理される所をカナダでは生ゴミや紙、新聞類などにわけられたゴミ箱がいたるとこるに設置されていた。またバンフの周りではクマがゴミ箱をあさらないようにゴミ箱に工夫がされていた。
 環境への取り組みは湖に行った時にわかった。周りにはゴミ一つ落ちていなかったし、人工湖以外ではモーターボートを使うことは禁止だそうだ。水もとてもきれいでとても驚いた。このことから日本はカナダからゴミに関する事と川や湖の水質や環境を守る事を学ぶ事ができると思った。逆にカナダが日本から学ぶべきであろうと思った事は、客への対応やサービスの質だ。もちろん日本のそれが世界に誇れるレベルというのもあるが、それを差し引いてもこれはどうなのか、と疑問に思った所が多々あった。例をあげると、カナディアンロッキーにのぼる際に乗ったバス、山登りに使うバスとはいえ砂ぼこりがたくさん入ってきたのは流石に観光客を乗せるバスとしてはどうなのか、と思った。
 このようにカナダと日本はお互いに課題点を持っている。しかし両方の国が互いに良い所を学んで直せばさらなる発展ができるのではないかと思う。
 まだまだカナダについては知らないことが多いがカナダは自然が美しく住んでいる人々もおおらかな人が多い国ということが今回の語学研修でわかったと思うのでこれから英語の勉強を頑張りいつかまた訪れる事ができたら良いなと思った。