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平成28年度 卒業式 式辞

平成29年3月1日に卒業式が行われました。


平成28年度 卒業式 式辞

平成29年3月1日

平成28年度第89回卒業証書授与式 校長式辞

 千葉敬愛高校創立者である長戸路政司先生の銅像が正門の前にあります。その銅像の傍らに咲く紅梅が盛りを過ぎ、いよいよ校内にたくさん植えられた桜のつぼみが膨らんで参りました。
 卒業証書授与式を開催するにあたり、地元四街道市 佐渡 斉 市長、当学園  三幣利夫理事長、明石 要一 千葉敬愛短期大学学長 、地元四街道市内中学校 校長先生、教頭先生、本校同窓会長 櫻井 勇 様、本校後援会長 石山 健作 様、本校PTA会長 石毛 健一 様のご臨席を頂き、千葉敬愛高等学校 第89回卒業証書授与式が挙行できますことは、喜びに堪えません。先ほど呼名を受け卒業を認定された520名の皆さん、ご卒業誠におめでとうございます。

 人生の先輩として一言卒業生の皆さんに餞の言葉を送りたいと思います。
今年1月16日の毎日新聞人生相談に、作家であり、明治学院大学教授でもある 高橋 源一郎さんの回答が心に残ったので引用させていただきます。 高橋氏は、「自分は不幸で、家族のために人生が思うように行かなかった」という相談に対して、「あなたの人生を意味あるものにすることができるのはあなただけです。なぜならその人の人生は、その人が作り上げる作品だからです。他の誰も手助けすることはできません。孤独や虚無を抱えていない人間はいません。仮に持ち合わせが何もなくとも、生涯のどこかにあった喜びの記憶の一瞬を元手にして、生きる意味を作り上げてゆくしかありません。」と回答しました。私が思っていることを明快に言葉で表現していただきました。皆さんのこれからの人生に対する思いはまだまだ漠然としていることでしょう。でも高橋氏の言う人生の元手になる「喜びの一瞬の輝き」を千葉敬愛高校の生徒は、多くが高校生活で感じた体験を持っているのではないかと想像します。保護者の皆さまから多くの援助を頂いて実施したシンガポール、マレーシアへの海外修学旅行、運動系。文化系の部活動や数多くの学校行事で「感動・感激に浸った瞬間」は体験していると思います。高校生活で体験した感動、感激を元手にして、自分の作品である我が人生を歩むとするなら、ひたむきに努力することを厭わないでしょう。日々の生活を大切に生きることは当然でしょう。今後、グローバル化がますます進展する社会は、人種や宗教、考え方の異なった人と、偏見を持たずにつきあって行く人間力が大切です。そのベースに、高校生活で体験した「一瞬の輝き」を誇りにこれからの人生を歩んでいって欲しいと思います。

 本校の教育方針は西郷隆盛公が好んだ「敬天愛人」であります。天地がもたらす大道を敬い、自分を愛するように他人を愛すべしという意味です。約二千五百年前の中国の思想家に「孔子」という人がいます。彼の門弟たちが先生である孔子の言ったことや行動をまとめた書物「論語 里仁篇」の中に、「徳は孤ならず 必ず隣あり」という言葉が有ります。これは、他人に思いやりがある人は心配はいらない 必ずその人に共鳴する友人ができる」という意味ですが、「敬天愛人」の考えと非常に近いものだと考えています。 千葉敬愛高校の生徒を見ているとその穏やかな姿勢や友人と仲良く学校生活を送る姿に、「敬天愛人」の考え方が生きているように思います。

 母校千葉敬愛高校で、力一杯それぞれが青春を謳歌した高校生活を支えに、 たくましい社会人となって生きていくことを私ども教職員一同心から願っています。
 本日ご列席いただいている保護者の皆さまに申し上げます。三年間、お子様を本校に預けていただき、ありがとうございました。お子様の成長に対して十分指導できたかはわかりませんが、生徒一人一人を大切に、面倒見の良い敬愛教育は実践できたと思います。私ども教職員は、本日の卒業生の今後の活躍と健康を心から願うものであります。

 保護者の皆さまとともに、卒業生の人生が幸多からんことを願い、式辞と致します。

平成29年3月1日
千葉敬愛高等学校
校長 高岡 正幸